砂防用語集
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このページは土木(主に砂防)でよく使われる土木用語を解説するページです。
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鹿児島県砂防指針の「砂防用語集」を参考としています。(99%パクってます・・・(^^;)
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しかし、それでは何なので(←何が?)そのうち自分なりに調べて追加していきたいと思ってます。(^^ゞ
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[あ] [か] [さ] [た] [な] [は] [ま] [や] [ら] [わ]
【その他参考文献】
福岡県砂防指針(案)H14
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@砂防ダムの堤体に、堤軸に直交する方向にあけられた水路。細粒の砂礫によって砂防ダムが満砂する
ことのないよう低水流量を通過させるほか、工事中の排水路として機能させる。
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A地巾にパイプやフィルター材を連続状に埋設して地下水を排除するもの。フィルター材としては蛇かご、
そだ、礫・割石、竹、丸太などが用いられる。
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あんぜんりつ(安全率) factor of safety
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物体の安定条件を損なうように作用する外力、あるいは応力に対してそれらに抵抗する力あるいは応力の
許容最大値の比で表す。この比が、1以上であれば安定を保ち、1以下であれば安定を欠くと判定する。
構造物は全体としてあるいはそれぞれの部分ごとに定められた安全率を満足するような材料、断面、形
状、寸法で設計され施工される。
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いちじくあっしゅくしけん(一軸圧縮試験) unconfined compression test
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円筒型の供試体(直径3〜7cm、高さは直径の2〜2.5倍)を側方の拘束圧なしに、軸方向に圧縮して圧縮
強度を求める試験である。一般に粘性土に限って適用される。飽和土の一軸圧縮強さquは非排水せん断
によるCuの2倍になることから、土の非排水せん断強度を求めるときにも用いられる。なお土の圧縮力と
変形の関係を求めるために一軸圧縮試験の応力─ひずみ曲線より得られる変形係数が利用される。
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水褥(すいじょく)ともいう。落差の大きい流れは落下地点での洗掘、波動などを起こすため、下流にプール
を造って落下水脈を貫入、拡散させて減勢する。普通は下流の河道を副ダムで締め切ってプールを造る
が、落差の大きい場合はプールの底をコンクリート張りにして河床を落下水脈による洗掘から守る。
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エアーウォータージェット air and water jet
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コンクリートの着岩面の浮き石・雑物の除去・洗浄する場合、またはコンクリートの水平打継ぎ面のグリー
ンカットを行う場合、圧縮空気と圧力水をノズルから噴出させてこれらを行う。この噴出される圧縮空気と
圧力水の混合体をエアーウォータージェットという。エアーウォータージェットによるグリーンカットの時期
は、コンクリートがある程度硬化し始めた6〜12時間後が適切である。
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えいびんひ(鋭敏比) sensitive ratio
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粘性土の自然状態における一軸圧縮強さと、自然試料を含水比の変化なしに練り返し、その状態におけ
る一軸圧縮強度の比を一般に鋭敏比という。また場合によってはせん断強さの乱さないときと練り返したと
きの強さの比をとることもある。正規圧密粘土の鋭敏比は5〜10が標準であり、著しく過圧密された粘土の
それは1に近い。北欧諸国に見られるクイックレーは鋭敏比が100を超える超鋭敏な粘土である。
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えつりゅうすいしん(越流水深) overflow depth
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せきを越流する水深で、接近流速(せきの上流側の断面での平均流速で、流量を流水断面積で割ったも
の)が十分小さい断面の水面とせき頂の高低差をいう。
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扇状地の中の流路工に用いられる横工の一種で、床固工に落差がないもの。
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渓流の縦侵食を防止するために、床固工を階段状に設ける工法。どの床固工の堆砂線も一つ上流の床
固工の基礎に達して前庭部の洗屈を堆砂で防ぐように設計する。
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@砂防ダムの貯砂量を大きくするために既設ダムの天端を高くすること。
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A河川工事で河積を増やすために既設の堤防の上に盛土して天端を高くすること。
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コンクリートを成形する際の一時的工作物で、コンクリートに直接に接するせき板をさん木で連結した型板
と、型板の位置を確保するための貫(ぬき)材やつなぎ材の総称である。小工事や曲線部分の場合には木
製が、大工事や標準部分の多い場合は合板や鋼製が用いられる。
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止水壁および止水工の総称。砂防ダムでも前庭部分の洗掘から基礎部分を保護するため下流側の堤敷
きを一部深く掘り込んで止水壁とすることがある。
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かんげきすいあつ(間隙水圧) pore water pressure
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土粒子間で負担される圧力、すなわち有効応力を全応力からマイナスした圧力を中立圧力、あるいは間
隙水圧と呼ぶ。間隙水圧の考え方には2つの領域があり、1つは静水圧あるいは定常浸透流による間隙
水圧であり、また他方は土中の応力変化により生じる間隙水圧である。後者は過剰間隙水圧というときも
あるが、時間とともに、間隙水圧は平衡状態になり、前者の水圧と一致してくる。間隙水圧は各種タイプの
間隙水圧計で測定できる。
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かんにゅうしけん(貫入試験) penetration test
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ロッドの先端に付けた貫入抵抗体を挿入し、貫入、回転、あるいは引き抜きの抵抗により、地盤構成や性
状を推定する方法。測定操作により、静的貫入試験と動的貫入試験に分類される。静的なものは一定重
量の錘の沈下量を測定するスウェーデン式サウンディングやコーンによる貫入抵抗を測定するコーンペネ
トロメーターなどがある。また動的なものは重錐の衝撃貫入抵抗を求めるもので代表的なものに標準貫入
試験がある。がけ崩れ調査において表層の地盤性状を知るために、簡易な土研式簡易貫入試験がしばし
ば用いられている。
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従来砂防ダムの選定にあたっては地質、岩質等について配慮に比較的、楽観的に取り扱われてきたきら
いがあったが、最近の砂防ダムの大型化に対し、高さ15m以上の砂防ダムについては、S51年10月に制
定された「河川管理施設等構造令」に準拠することとした。また、このような方向を受けて61年に改訂され
た「河川砂防技術基準(案)」計画編の砂防施設計画に「ダムの高さの決定に際しては、基礎の地質を十
分に調査しなければならない。特にダムの高さが15m以上となる場合には岩質調査を併せて実施しなけ
ればならない。ここでいう岩質調査とは、地質の良否、支持力、透水性、断層の有無、走向節理などに関
する調査をいう。フローティングダムは高さ15m以下であることを原則とする。」と明記されており、また基
礎として「ダムの基礎は、所要の支持力並びにせん断摩擦抵抗力を有し、浸透水等により破壊しないよう
にしなければならない。ダムの基礎は必要に応じ、カットオフ遮水壁等により補強するものとする。」と記さ
れている。
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基本的には基礎処理を出来るだけ必要としないダムサイトを選定することはもちろんであるが、砂防ダム
としての性格から、軟弱地盤や堆積土砂の大きいところ、あるいは地すべり地等においてやむをえず砂防
ダムを計画しなければならない場合もあり、これらの弱点に対処する主な処理方法を整理すると下表のよ
うになる。
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現場条件
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主な処理方法
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その他
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1.断層、破砕帯、シーム等岩盤
劣化部分があるとき |
グラウト工法、コンクリート置換工法
ロックボルト工法等 |
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2.軟弱地盤や地積土砂が大き
いとき |
杭基礎工法、置換工法、ケーソン
基礎工法、薬液注入工法等 |
ダム型式(アース、ロックフィル)や
ダム断面計除の検討もある。 |
3.地すべり地のとき |
杭打工法、深礎工法等 |
ダム型式(スクリーンダム、枠ダム)
の検討もある。 |
4.浸透水の処理を必要とする
とき |
グラウト工法、遮水壁工法、
フェイシング工法等 |
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魚類の河道遡上などを妨害しないようダムや床固工に設ける通路である。一般に勾配1/6〜1/10程度と
し、形状には直線またはその折り返しならびにらせん形などがある。
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きょようしじりょく(許容支持力) allowable bearing force
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地盤のせん断破壊または沈下によってその上にある構造物に被害が生じないように適当な安全率を見込
んで決めた単位面積当たりの荷重。
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圧縮応力や引張応力などによって物質内に生ずるひび割れのこと。地すべり現象に伴って、いろいろな形
態の亀裂が地すべりの各部位に発生し、その発生状況によって地すべり運動を解明する大きな手掛かり
を得ることができる。特に地すべり末端部には圧縮亀裂が、また地すべり頭部では移動方向に直角な規
則性のある引張亀裂が生ずる。地すべり側面には雁行亀裂が生ずることもある。
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細砂または微細砂が、浸透水の上昇流の影響で液状に近くなり、ボイリングを起こしやすい状態をいう。地
下水が被圧状態にある所を掘削するときにみられるが、地震時の振動で砂層中の間隙水が同じ状態を作
り出すことがある。
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コンクリートや基礎地盤の止水、基礎地盤の補強のために行う注入工。材料は目的によってセメント、合
成樹脂薬液、水ガラスなどを単独あるいは混合して水とともに注入する。止水目的のものをカーテングラウ
ト、主として地盤の強度改良の目的を持つものをコンソリデーショングラウトという。ダムで収縮継目に注入
するものはコンタクトグラウトと呼ばれる。
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クリープはかい(──破壊) creep rupture
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クリープは載荷応力が小さいときはこれに比例するが、ある限界を超えると一種の疲労破壊を生ずる。こ
れをクリープ破壊という。土塊が一定応力を受け破壊されるとき一つのクリープ破壊曲線が求められる
が、斎藤は2次クリープのひずみ速度とクリープ破壊時間の間に一定の関係があること、また更に3次クリ
ープの領域においてもこの時間が予測できることを示し、これを斜面の崩壊予測に応用した。
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グリーンカット green cut, finishing
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打設されたコンクリートの上面には弱いモルタルが覆い、水平打継ぎ面は構造上・止水上の弱点となりや
すい。そこでまだ十分に硬化しないコンクリートの上面をエアーウォータージェットなどで薄く削り取り、粗骨
材の一部を露出させて付着性のよい打継面にする方法をグリーンカットという。一般にダムコンクリートの
グリーンカットは打設後6〜12時間経過して行われる。
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荷物を吊り下げる搬器が軌策に沿って、曳策によって横行するとともに巻上策によって上下することができ
るようにした架空索道である。コンクリートや資材、掘削土砂の運搬に用いられる。砂防ダム用のものは主
策の両端が固定されたものが多いが、作業区域が広い場合は一端を可動にした軌策式または複線式(H
形)が用いられる。設備、運転は法令に基づいて行われなければならない。
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げんせいこう(減勢工) energy dissipator
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高速射流の流れのエネルギーを減殺するための構造物。ダム余水吐の下流部に設けられるものには跳
水形、バケット形、放射形、クッション形がある。砂防ダムの水吐工や流路工末端の護床工も減勢工の一
種である。
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山間へき地等輸送手段のない所、大量のコンクリート工事が困難な所、災害対策で緊急を要する所など
に、工期の短縮、省力化、標準化の一貫として開発された砂防ダムの工法である。@バットレス、Aスリッ
ト、Bビームの3つのタイプのほか、基礎地盤の良くない所で堤体の変位が予測される所ではCセルタイプ
を用いることがある。貯砂、浸透水排除、土石流の粒度ふるい分けなどの効果を期待している。C以外は
コンクリート基礎が必要である。
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砂防ダムの越流部は石礫が通過するための磨耗や破壊の危険があるため保護する必要がある。そのた
め堤冠の仕上げを膠石コンクリートで行うことがある。これは粗骨材のみで細骨材を用いないコンクリート
のことで示方配合は下表のようなものが一般的である。グラノリシックコンクリートともいう。
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粗骨材の
最大寸法
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スランプ
の範囲
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水セメント
重量比
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コンクリー
ト1m3に
用いるセ
メント
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同水量
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粗細骨材
重量比
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コンクリート1m3に用いる表面乾
燥飽和状態の骨材
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全 量
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細骨材
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粗骨材
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70mm
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10〜15cm
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40%
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700kg
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280kg
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─
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1262
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─
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1262
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砂防ダムの水叩き工下流部や、底張りした流路工の末端など、河床材料やその粒径が急変する所で発生
する洗掘を防ぐために、ブロック、沈床、捨て石等で河床を覆い、落差や粗度をつけて流速を落とす工法
をいう。
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堤防の高さが4〜5m以上に高くなる場合にのり面の途中に設けられる幅3〜5mの水平ないし緩斜面の面
をいう。堤防の表側にあるものを表小段といい、裏側にあるものを裏小段という。
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コンソリデーショングラウト consolidation grout
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ダム基礎処理工法の一種でダム本体を支持する基礎の全面または一部分に対して行う支持力増加のた
めのグラウトをいう。カーテングラウトが遮水を主目的とするのに対し、コンソリデーショングラウトは基礎岩
盤をできるだけ均質等方性の弾性体に近づけ、支持力の増加とともに透水性の減少を目的とする。コンソ
リデーショングラウトは原則としてダム基礎の掘削後実施するが、場合によっては注入圧を上げるための
押さえとして一部コンクリート打設後実施する場合や、掘削前に一部を押えとして注入する場合、捨てコン
や吹付けなどによって押さえとする場合などがある。またカーテンの場合に比べて深さも浅くパーカッション
式の機械を作用する場合が多い。
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ダムのその目的によって次の5種類に分類することができる。一つのダムが二つ以上の目的を兼ねる場
合には、その主たる目的によって分類するものとする。
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1.山脚固定ダム・・・河床を上昇させて山脚を固定し、山腹の崩壊等の予防及び拡大の防止を図り、
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2.縦侵食防止ダム・・・河道の縦侵食を防止して、土砂の生産を抑制することを目的とする。
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3.河床堆積物流出ダム・・・河床に堆積した不安定な土砂の流出を防止することを目的とする。
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4.土石流対策ダム・・・土石流を抑止あるいは抑制することを目的とする。
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5.流出土砂抑制・調節ダム・・・流出土砂の抑制及び調節を目的とする。
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さんすいようじょう(散水養生) water curing by sprinklers
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打設されて間もないコンクリートの表面は乾燥するとひび割れを生じやすいため、コンクリートを打ち込ん
だ後には養生を行って湿潤状態を保つ必要がある。一般にはリフト面上に注水をして湛水養生を行なう
が、型枠移設等のため湛水を行うことが困難な場合、スプリンクラー等を用いて散水をする養生が用いら
れる。これを散水養生という。リフト面上で配筋や型枠作業を行なうときは、スプリンクラーの散水が不十
分になりがちであるので、作業員を配してホースによる散水を徹底させる必要がある。
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砂を高圧水に混ぜて吹き付け、コンクリートの水平打ち継ぎ面のグリーンカット、鋼材のさび落としなどを行
なう方法をサンドブラストという。一般に、グリーンカットにはエアーウォータージェットが用いられるが、鉄筋
の多い箇所あるいは何らかの理由でグリーンカットを行なわなかった場所、または油の付着などの汚れの
ひどい場所にはサンドブラストが用いられる。
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扇状地内の急勾配で、床固工で落差を付けてもなお掃流力が河床の抵抗力よりも大きい場合、また常に
土石流が流下する場合には河床をコンクリートや石材で張って三面張りとする。そのときの河床勾配の粒
径によっても異なるがおおむね1/30程度である。厚みは普通0.3mであるが、土石流によるすりへりが土石
流1回あたり2cmに達する例もある。
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斜面の安定解析を行うときは、現状の安全率を仮定し、すべり面の強度常数の粘着力Cと内部摩擦角φ
(tanφ)との関係を求め、これを平面上に表示したもの。すべり面強度定数を逆算する場合にしばしば用い
られ、地すべりの安定解析を行うときの強力な手法となっている。この図をもとに地すべりの垂直層厚によ
り経験的に粘着力を推定し、内部摩擦角を求める方法が慣用されている。
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コンクリート打設前に打込み場所に敷き均すモルタルのこと。新旧コンクリートの打ち継目における付着を
確実にしたり、打ち込んだコンクリート面に豆板ができるのを防止する。
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水密を要するコンクリート継目に止水のため設けられるもので、銅、ステンレス、ゴム、合成樹脂等の材料
の板である。コンクリートに密着すること、引張強さと柔軟性、耐アルカリ・酸・水性、老化しにくい耐久性を
必要とする。
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ダム長が大きくしかもケーブルクレーンの移動側の走行路の建設が困難な場合、鉄骨構造の足場(トレッ
スル)を架設してそのうえに旋回と上下動が可能なブームを装備したクレーンを用いてコンクリートを打設す
る。足場はガダーを残して普通は堤体に埋設される。クレーンは走行式と固定式がある。
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じゃかご(蛇篭) gabion wirecylinder
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亀甲形の目に編んだ円筒形のかごに玉石または割石を詰めたもの。かごは竹もしくは鉄線で作る。含銅
鉄線は腐食に対する抵抗が大きいのでよく用いられる。屈撓性が良いので、のり覆工、根固め工、床固工
などに用いる。形によって、ふとんかご、だるまかご、さざなみかごなどがある。
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蛇かごもしくはふとんかごを積み上げて心杭で固定したダム。大粒径の掃流砂が流れない小渓流で、渓流
の低下を防止すると同時に常時排水する目的で築造される。
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しゅうしゅくつぎめ(収縮継目) contraction joint
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ダムコンクリートの冷却に伴って発生する収縮によるひび割れを防ぐ目的で設けられているコンクリート打
ち継目で、施工に当たり開きやすい構造にしておく。収縮継目にはダム軸に直角方向の横継目と、ダム軸
に平行な縦継目があるが、砂防ダムではほとんど横継目のみである。一般に15m間隔に設けられるが、
ダムの高さ、セメントの種類、人工冷却の有無によって異なる。継目の形は平面が多い。継目からの漏水
を防ぐため止水板が用いられる。
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じゅうりょくダム(重力──) gravity dam
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堤体自身の重量によって、これに作用する水圧、土圧、地震力などの外力に抵抗し、安定を保つ形式のダ
ムのこと。一般にコンクリートを材料として築造されるが、砂防ダムでは粗石コンクリートを用いることがあ
る。理論が簡単で施工は容易ではあるが、均等で十分な支持力を持つ基礎を必要とする。一般に二次元
の安定計算をするが谷幅が狭く、両岸の岩盤が良好な場合は、水平方向のはりの要素を考えた三次元設
計がなされることがある。
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砂防ダムで、渓流にあって、貯砂、堆積土砂の勾配調節、砂礫の分級、山腹斜面の防護など計画された
主たる機能を持つダム本体のこと。ダム本体の安定を維持するために設置する水叩き、副ダムなどと区
分する。
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南九州に分布する第三紀末から第四紀にかけての火山噴出物で、軽石流堆積物、降下軽石などやその
二次堆積物のこと。一般に白色砂質で未固結、半固結である。シラスの強度特性は、みかけの粘着力が
大きく、自然状態では垂直の安定した高い斜面を形成することができるが、豪雨により、崩壊を起こし、大
災害を発生することがある。一般の土と比べて極めて特異な性質を持った特殊土壌の一つである。シラス
によって構成された巨大な大地をシラス台地と呼ぶ。
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すいちょくへき(垂直壁) vertical wall
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砂防ダムや床固工の水叩きに副堰堤を造らない場合、水叩き下流端を垂直に折り曲げて河床にかん入さ
せることにより下流河道とすりつける。これにより河床の不連続面で洗掘が起きても水叩きの破壊にはつ
ながらない。
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すじこう(筋工) small terracing work
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山腹工で、比較的緩傾斜ではあるが人工を加えなければ山腹斜面の安定が困難である場合、または積苗
工などの山腹工の中間に補助的に用いる工種。使用材料によってかや筋工、芝筋工、石筋工、そだ筋工
などがある。直高1〜1.5mおきに幅0.5〜0.6mの段を設け、そこにかや、芝、そだちを植える。必要に応じ
て狸穴を掘り、肥料や稲わらを入れる。
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すなだまりこう(砂溜工) sand arresting works
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山地からの流出土砂(主として表面侵食による砂)を下流の流路が流送し得ない場合に、通常扇頂部に緩
勾配・幅広の堆積区域を設けて砂を堆積させて流水の土砂濃度を低下させる工法である。満砂した場合
は排砂する必要がある。
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ダム工事におけるコンクリート型枠は、コンクリート打ち上がりに伴う移動に対して容易に取り扱いできるこ
とが必要で、そのため順次上方へスライドさせることができる型枠をスライドフォームという。ダム型枠は、
大型バイブレーターによって締め固められるマスコンクリートの大きな荷重を受けるため強固な固定と取外
し設置の容易さと構造の頑丈さから、一般には鋼製のものが使用される。メタルフォームからの荷重は、
数本の横げたで受け縦げたに伝えられる。型枠は、下のリフトの上部に埋め込まれたアンカーボルトにシ
ーボルトを介して固定される。ダミーボルトは上のリフト打設の際のアンカーボルトの固定とシーボルト穴の
形成のために取り付けられる。
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せいすいあつ(静水圧) hydrostatic pressure
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静止している流体内の任意の面に作用する圧力のこと。その強さは流体表面に作用する力を無視すれ
ば、表面からの深さと流体密度の積に等しく、方向に関わらず一定であり、作用方向はその面に直交す
る。
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流水や土石流の侵食作用によって河岸や河床が削られる現象をいう。
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侵食の激しい急峻な山岳流域を流れる川が平地に出るとき、その山麓に出口を中心に半円錐形の堆積を
作る。これを扇状地といい、出口からそれぞれ扇頂部、扇央部、扇端部に分ける。川は扇頂部で数十分の
一、扇央から扇端部にかけて百分の一に近い急勾配を持つ。砂礫流送量の多い川は扇状地の中で天井
川を形成し、洪水時にしばしば破堤して川道は首振りをするように変化する。砂礫流送量が減少してくると
扇頂部では掘込河道となる。扇状地内下流で掘込河道から天井川にかかる地点をインターセクションポイ
ントといい、氾濫の危険の最も大きい所である。砂礫流送量が更に少なくなるとインターセクションポイント
は更に下流に移り、掘込河道となって河道は安定する。
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せんだんしけん(せん断試験) shearing test
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せん断強さを測定するための試験。せん断強さにはピーク強度、完全軟化強度、残留強度等がある。室
内や原位置での試験があり、また試験機により直接せん断試験、さん軸圧縮試験、リング回転せん断試
験などその用途によっていろいろな試験機が開発されている。試験方法には非排水せん断試験(U-
test)、圧密非排水せん断試験(CUあるいはCU-test)、あるいは排水せん断試験(D-test)などがある。地
すべりなど長期斜面の安定問題を考えるときは有効応力表示された強度定数が一般に必要であり、また
残留強度も考慮しなければならない。
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砂防ダム下流の河道で、越流水が落下する部分をいう。
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水叩き工に同じ、砂防ダムからの越流水がダム下流の河道(前庭部)を洗掘してダム基礎を破壊するのを
防ぐために施設するものをいう。張り石またはコンクリートで前庭を覆うもの、副ダムを設けて砂礫を堆積
させるもの、プールを設けて水や砂礫を堆積させるもの、捨て石工などがある。
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砂防ダムの水叩き部ののり面に施設される擁壁。越流部から水叩きへ落下する水が左右ののり面を浸食
して不安定化しないように保護する。のり面が浸食に対して十分に強い岩であれば施設しないこともある。
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砂防ダムにおいて、水通し部(堤冠)に隣接する左右の非越流部分、両岸の袖は上流河道の線形によって
必ずしも対称ではない。その勾配は必ずしも水平とせず計画渓床勾配と同程度またはそれ以上とする。両
岸への嵌入は岩盤で1〜2m、土砂で2〜3mを標準とし、間詰めを行う。土石流の衝撃を受ける区間では
導流堤などでそでへの直撃を避ける工夫を必要とする場合がある。
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流れに対する境界面の凸凹の状態をいう。粗度が小さく、その影響がすぐに減衰して流れの中心部に及
ばないような境界面を、水理学的に滑らかな面といい、逆に粗度が排水して濁度を基準以下とする。
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