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しびるくん奮闘記

■登場人物
しびるくん・・・・・・工業高校の土木課を卒業後、紆余曲折な人生を経ながら小さな土木設計会社に入社。
   嫁さんと可愛い4人の子供たちを食わせるため日夜頑張ってます。
   (↑あくまでフィクションです(^^;)

コンサルくん・・・全国規模の大手設計コンサル会社の若手コンサルマン。

お役人・・・・・・・・「公共工事」を発注してくれるえらい人。

社長さん・・・・・・・しびるくんの会社の社長さん。


【第1回 ぷろろーぐ】
「はじめまして。”しびる”と申します!よろしくお願いいたします!!」

ここは土木設計の下請を生業としている設計会社。社長を含めて社員数4人の小さな会社である。
しびるくんは高校の土木課卒業後、いろいろな職種の会社を渡り歩き、縁あってこの会社に入社してきたのであった。。。

「おぉ!君がしびるくんか。設計の経験はないそうだけど、なーにすぐ覚えるさ。頑張ってくれたまえよ!」

ぽんぽん!と肩を叩きながらこの会社の社長さんは言った。

「いよぉ〜し!頑張るぞ〜!!」

しびるくんは心に誓ったのであった。



あれから14年。。。しびるくんはまだこの会社で頑張っている。あの頃独身だった彼は、結婚し4人の可愛い子供たちに恵まれた。
しかし、入社した頃景気の良かった土木業界は、市場の景気低迷と「公共工事バッシング」にさらされて仕事量が激減。しびるくんの会社も多分に漏れず、土木業界低迷の余波をもろに食らっていたのであった。。。

「はぁ〜もう4年もボーナスもらってないな・・・今年も厳しいのかな。いやいや、まだ仕事があるだけましさ!とにかく今は目の前の業務をひとつひとつこなすことが大事なんだ。」

しびるくんは心の中でいつも繰り返されるこのつぶやきに、少しの空しさを感じながら今日も頑張るのであった。。。

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そんな”しびるくん”がこれまでの日常で経験してきた出来事を、ショートストーリー仕立てでお届したいと思っております(更新は不定期・・・(^^;)。つまらない日もあれば、楽しい日、泣きたくなる日、怒り心頭の日などなど・・・温かく見守ってください。
あくまでこれはフィクションです。(^^;

【第2回 CADって難しい?】
最近の設計図面はCADという作図ソフトを使用して描かれています。

しびるくんも入社当時は数字の書き方から、線の引き方、着色のしかたなどを覚えさせられ何回も練習したものですが、今では図面はCADで描き、計算書はEXCELで作成し、報告書はワードで書くようになりました。

昔に比べたら楽になったものです。

そんなしびるくんのある日の日常。コンサルくんから電話がかかってきました。

「もしもし、しびるくん。えーとお願いしたいことが・・・」

「はいはい。なんでしょうか?」

「この前送っていただいたCADの図面なんだけど。。。文字を若干修正してもらいたいんだよね」

「へっ?!文字の修正だけですか?CADデータはお渡ししましたよね?文字を修正するだけですか?」

「そうそう。文字の修正だけ!それじゃお願いします!」

「・・・・・・」

コンサルくんの会社のパソコンにも確かCADソフトは入っているはず。。。それも高価で高機能のヤツが。。。

渡したCADのデータはいったい何に使っているのであろうか。。。

不思議に思うしびるくんなのであった。

【第3回 自作エクセルシート】
表計算ソフトといえばEXCELが有名であるが、最近では土木の設計計算書などをEXCELで自作する人が増えてきたようである。

景気の低迷で、高価な設計ソフトを買うよりも自分で作っちまえ!とみんな考えるからなのだろうか。。。インターネット上を見てもそういうソフトがシェア・フリーソフトとして沢山出まわっている。
マクロを組んでそこらへんの設計ソフトにも負けないようなソフトであったり、エクセルに計算値を入力してあるだけのシートであったり多種多様である。

しびるくんもVBAの知識は全然ないのでマクロなどは組めないのであるが、通常良く使う計算書などをエクセルのシートを使ってそれなりに作っている。
ソフトを買う金もないし、かと言って手計算では効率が悪い。作成するのに2〜3日かかっても後々の効率化を考えれば安いものだ。



そんなしびるくんのある日の日常。コンサルくんから電話がかかってきた。

「もしもし、しびるくん。えーとお願いしたいことが・・・」

「はいはい。何でしょうか」

「えー、今やっている業務とは全然関係ない別件の業務なんですけど。役所から電話がかかってきまして、至急計算書を送れというんですよ。。。しびるくん、前にその計算書をエクセルで作っていましたよね!ちゃっちゃっと計算して送ってください(^-^)

「えーとですねぇ...えーと。。。わかりました・・・(T_T) 必要な数値を送ってください。」


そりゃあ、エクセルですから。数値を入力すればものの5分で結果が出ますよ。。。

しかしですねぇ、何というか、たいした計算シートじゃないかもしれないですけど、作るのにそれなりに時間をかけているわけでして・・・

手計算だと手間がかかるし、ソフトを買えば高いわけで・・・

何ていうんですかねぇ〜

「・・・・・・」


こうして今日もしびるくんは頑張るのであった。(そうさ!必ず次の仕事につながるさっ!!)
【第4回 めぐりめぐって・・・】
しびるくんの会社は土木設計の下請会社である。元請けさんも1社だけではなくて数社のコンサル会社から仕事を頂いている。

何年か前、Aコンサルから砂防ダムの基本設計の仕事をいただいた。

しびるくんもコンサルくんと一緒に役所に出向き協議をしながら業務をこなし、無事納品できたのであった。

ある日、Bコンサルから電話がかかってきた。

「もしもし、今度砂防ダムの詳細設計を受注したんだけど手伝ってもらえないですか?」

「はい。わかりました!有難うございます!これから打ち合わせをお願いしま〜す。」

新しい仕事の依頼とあって、社長さんもしびるくんもルンルンで打ち合わせに向かったのであった。





「これが今度の業務なんですけど、前に基本設計をしているみたいでして、これに則って設計を進めてください・・・」

打ち合わせの机の上に開かれた報告書と図面を見て、社長さんとしびるくんは顔を見合わせた。

そう、そこにあるそれはまさに、しびるくんが何年か前に作成した報告書と図面・・・

うーん。どうしたものか。。。基本設計と同じ図面の描き方、文体の同じ計算書じゃまずいよな。。。
「これ、ウチがやりました☆」なんて言えないし・・・(^^;

仕事的には前やった業務なので熟知していてやりやすい。しかし、なんか余計なところで頭をつかうはめになってしまった。。。

帰り際に
「今回は役所への打ち合わせはちょっと・・・同行できませんので・・・(汗)」
と言い残し、Bコンサルを出る社長さんとしびるくんなのであった。。。

【第5回 建設CALS/EC】 
建設CALS/EC。

それは国土交通省(旧建設省)が1995年5月に「公共事業支援統合システム(建設CALS/EC)研究会」を設置し、公共事業の調査、計画、設計、工事、維持管理の各段階で発生する各種情報の電子化と、組織の壁を超えた関係者間の効率的な情報の交換・共有・連携を可能とする環境に向けた取り組みであり、全国の大手ゼネコン・コンサルから地場の中小建設業まで含めた一大国家プロジェクトである。


「建設CALS/ECアクションプログラム」によると、2004年度までに国土交通省の直轄事業全てで実施予定(今年度から全てになっている)となっており、2010年度までには各市町村も随時全面実施に移行する予定となっている。



さて、しびるくんは。。。

1995年・・・「公共事業支援統合システム(建設CALS/EC)研究会」を設置。
        「キャルズ?何ねそれは。。。あぁ〜昔、永ちゃんがいたバンド!」←それはキャロル。


1997年・・・「建設CALS/ECアクションプログラム」策定。
        「キャルズねぇ〜。。。本当に実施されるんかいな?」


2000年・・・あちらこちらで建設CALS/ECの実証実験が行われる。
       「ウチには関係なかよ。(鼻くそをほじりながら・・・ポリポリ)」


2003年・・・国土交通省直轄事業CALS全面実施。
       CALSを勉強せな!CAD製図基準って何ね!XMLって何ね!あぁ〜わからん。。。(涙目で・・・(T-T))」


しびるくん、頑張れ!!

【第6回 納期直前・・・】 

プルプルプル・・・ガチャッ

「はい。○○測量設計です!」

「あっ、しびるくん?ちょっと教えて欲しいことがあるんですけど・・・」

「・・・・・・」

最近、コンサルくんからのこういった電話が頻繁にかかってくる。砂防ダム設計業務の成果品の納期が迫ってきており、現在コンサルくんは一生懸命報告書をまとめている最中だからだ。

しびるくんは、コンサルくんとの綿密な協議を経て、この仕事の図面・数量と構造物の設計計算および概略の報告書をまとめて提出していた。概略といってもほとんどの流れはできており、後はコンサルくんが自社の報告書の色に仕上げるだけのはずなのである。


が・・・彼はそれだけでは納得してくれない。ひとつひとつの工種、工法、材料に至るまで根拠がつかないと夜も眠れないらしい。。。

だから、しびるくんが車を運転している最中でも、夜、家族と夕飯を囲んでいる時でも、嫁さんが買い物に行って赤ん坊の子守りをしている最中でも、否応なしにしびるくんの携帯は鳴るのであった。。。


それでもしびるくんは「コンサルくんは、頑張って報告書をまとめているんだから・・・」と、その都度対応するのであった。

しかし、聞いてくる内容が。。。

「えーと。何故ダムを打設する時のリフト割りは1.5mなんですか?」

「それは、コンクリートの日打設量の関係とか、ダムはマスコンクリートなのであまり高く打設すると固結時の内部の発熱などから養生が困難となり・・・・・・」


「えーと。何故水抜き孔を開けるんですか?この間隔とか数はどうやって決めるんですか?」

「それは、平常時に流下する土砂などの調節とか、上流側が堆砂した時の浸透水の排除とか、施工時の仮排水路に使ったりとか・・・・・・」


「えーと。袖の勾配とかは・・・?」

「砂防指針の○○ページ!」


「えーと。間詰工の勾配はどうやって決めてるんですか?」

「ダム基礎のかん入を確保しつつ、現地盤合わせ!!」


「それでは間詰工をブロック張りにしたのは?ブロック積みじゃないんですか?」

「勾配が1割の場合はブロック積みとは言わずにブロック張り!!!」


「転流時の暗渠管をポリエチレン管にした根拠は?他にもBOXカルバートとか、ヒューム管とか、塩ビ管とか比較しました?」

「小流量の転流にBOXは使いません!ルートが折れ曲がっているのでヒューム管は使いません!塩ビ管は仮設盛土が高いので土圧にもちません!だから比較もしてません!!



コンサルくんの口撃はすさまじく、しびるくんもだんだんコンサルくんのペースにはまっていく。。。



「しびるくん、社内で協議した結果、上流側の間詰工はいずれ堆砂するところでもったいないから土砂の埋戻しだけということになりましたので。」

「いやっ、でも・・・通常は上流側の方が保護工が重要なんじゃ・・・。わかりました。じゃあ図面と数量を直しておきます。。。(T_T)」


「しびるくん、護床ブロックを流速によって1tと0.1tで分けてましたけど、工費とか考えたら1tブロックだけのほうが安いので修正してください」

「はいはいわかりました。図面と数量を修正しておきます。。。(T_T)」


「しびるくん、工事用道路のルートはやっぱり川を越えて回してください」

「はいはい・・・え゛えぇぇぇ〜!( ̄□ ̄;)!!



納期まであと2日。しびるくんの苦闘は続く。。。


【第7回 災害復旧】

「今年は災害の多い年だなぁ・・・」

しびるくんはテレビで流れる各地で起こる災害の報道ニュースを見ながら思っていた。
やがて自分がその災害対策業務を担当することになるとはつゆ知らず。。。







しびるくんは子供達を連れて近くにある『県民自然の森』に遊びに来ていた。
今日は標高600m程度の山頂目指して軽い登山である。

「こうして子供達とあれこれ話しながら山を登るのも楽しいもんだ。。。」
そんなことを思いながら山頂までワイワイ子供達と登ったのであった。


「さーて、下りるかぁ〜」
山頂での休息も終わり、いざ下山しようとした時しびるくんの携帯が鳴った。

<ぷるるるる、ぷるるるる・・・>

こんな山の中で携帯が繋がるのか?と思いつつしびるくんは携帯に出てみた。

「はい。もしもししびるです。」

「おぉー。しびるくんか!さっきから何度も連絡してるんだけども全然繋がらなくて参っていたんだよ!はぁ〜やっと繋がった。」

電話の主は社長さんであった。。。

「いやぁ、山の中にいたもんで。で、どうしたんですか?(日曜日に携帯に何度もかけてくるなんて・・・)」一抹の不安を感じながら用件を聞いた。

「災害復旧だ。砂防でいくそうだ。みんな集まってる。お前もすぐに来い!」

「・・・・・・」

「とにかく急ぎだから来い!」

(すぐに来いって言ったってあんた、今標高600mの頂上にいるんだけど。。。(-_-;))
「わかりました。ちょっと時間がかかりますけど伺います。」

<ガチャ>

「悪いな。会社の人が仕事だからすぐに来いって。。。」
せっかくの休みで一日遊んでもらえると思っていた子供達に謝りながら帰路につくしびるくんであった。







「遅くなりました!」
しびるくんが入った会議室では蒼々たるメンバーが図面を広げてあれやこれや議論をしていた。

「おぉ来たか、まぁこれを見てくれ」
災害が起こった後すぐに測量に入ったのであろう。広げられた実測の1/500平面図にはすでに災害対策の基本計画が描き込まれていた。

「これは・・・ここに砂防ですか・・・」
そこには、谷地形を成していない急勾配の斜面に砂防ダムの計画が描かれていたのであった。

「本当に砂防でいくんですか?もうこれで決まりなんですか?」
しびるくんの問いかけに皆が「うん」と頷く。しびるくんにはこれからの作業の困難さが伺えた。

「そうですか。。。で、私は何を。。。」

皆の視線がいっせいにしびるくんに向いた。

「あの〜、まさか。。。(-_-;)」

有無を言わさず、しびるくんは担当者に任命されたのであった。。。あの〜。。。(-_-;)




【ひとこと・・・】
災害復旧事業の場合、災害が起こって1,2週間ですぐに事業認可を取りに財務省へ行きます。まずはそのための資料(被災状況、図面、災害対策施設の構造、事業費等)をバタバタと作成しなければなりません。
認可が通ると、次は実施認可、地元への事業説明、用地確定、立会、詳細設計納品、積算、工事発注と続きます。この間約2〜3ヶ月。
期間が短いので地質調査・測量・設計は平行して進めていきます。
なので当初の設計は、平面図からのペーロケと現地踏査からの想定の地質で構造を決めていき、測量・調査の結果があがり次第随時構造に修正を加えていくという事になります。
まず、手戻りは必至です。(T_T)
しかし、次年の梅雨がくるまでにある程度まで施設を造り上げなければならないと考えると工期的にはしょうがないのかもしれません。
しかし、厳しいっすね〜。。。(-_-)

【第8回 年度末】 
今日から3月。年度末もいよいよ終盤戦に突入だ。
しびるくんも毎年のことながら忙しい日々を過ごしていた。

「はぁ〜毎度毎度のことながら何で年度末になるとこんなに忙しいんだ?」

わかってはいることだけど、なぜか心の中で愚痴を言いたくなるしびるくんなのであった。





そんなある日の日常、会社の電話が鳴った。

「もしもし〜しびるくん?業務の方針が決まったんで打ち合わせお願いしま〜す☆」

脳天気なトーンで話す電話の主は言わずとしれたコンサルくん。。。(-_-;)
やっと方針が決まったらしい。

この業務を請けたのは確か去年の9月。今は3月初め。。。いったい今まで何やってたんだか。。。







「しびるくん。そんじゃあこの方針で図面・数量をお願いします!」

「えーと。確か工期は3月15日でしたよね。もう間に合わないし、とりあえず仮納品で納めます?」

「えっ?何で?ちゃんと納めるよ」

「いや、だから・・・今から図面と数量ですよ?間に合うわけないじゃないっすか!」

「そんな事言われても困るよ〜。あと2週間あるんだから大丈夫でしょ?来週までに図面を作ってもらって、役所に見てもらうから・・・それから数量はじいたらハイ!終わり〜☆」

(ハイ!終わり〜ってあんた一日何枚図面を描けって言うんだコノ!(-_-;) あ〜そうか!俺に寝るなと言ってんだな!できるまで寝るなと・・・)

「描くには描きますけど、、、ちょっと精度が悪くなりますよ?せめて形はつけますんで、後で差し替えってのはどうでしょう?」

「ダーメ!」

「・・・・・・」
(何でもっと早く方針を決めてくれないの?余裕を持って仕事をさせてくれないの?出来あがった図面をトレースするわけじゃないんだよ?1本1本の線を考えながら描くんだよ?1本の線を引くのに計算したり、書籍を見たり、時間かかってんだよ?)




「わかりました。最大限の努力をしてみます!(T-T)」

しびるくんが帰ろうと立ち上がると、コンサルくんがふと思い出したように・・・

「あっ!そうそう、○○と××はまだ決まってないから。後で決まったら連絡します」

「・・・・・・」
(それが決まってないで何を描けっていうんだか・・・はぁ〜・・・)







しびるくんが肩を落として会社に帰ってみると、別のコンサルくんから電話が・・・

「もしもし〜しびるくん?やっと方針が決まったんだけど〜♪」




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